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相手のよさに気づき、言葉にする ―「思いやり」と「感謝」が関係を動かす、想像以上のチカラ―

はじめに:小さな感謝が、ふたりの未来を変える

「最近、夫が何を考えているのかわからない」「妻に感謝しているけど、わざわざ言うのは照れくさい」。 そんな気持ち、ありませんか?

実は、パートナーへの感謝や思いやりを言葉にすることが、夫婦関係の質を大きく左右することが、数多くの心理学研究で明らかになっています。 ジョン・ゴットマン博士は、幸せな夫婦の90%が「過去のプラスの感情をすぐに思い出せる」という研究結果を示しています。これは、未来の幸福な結婚生活を予測する強力な指標ともいえるのです。

プラス感情を呼び覚ます「感情の再体験」

心理療法において、過去のポジティブな体験を思い出すことで、今の気持ちを前向きにする「感情の再体験(Emotional Recall)」という手法があります。

たとえば、次の質問を一緒に考えてみましょう。

  • 初めて出会ったとき、どんな印象を持ちましたか?
  • 一番楽しかった思い出は?
  • ふたりで乗り越えた困難はありますか?

こうした対話をするだけで、相手に対する愛情や感謝の感情が自然とよみがえりやすくなるのです。

なぜ「ありがとう」は関係を変えるのか?

ポジティブ心理学では、**「感謝のトレーニング(Gratitude Practice)」**が幸福感や人間関係の満足度を高める効果があることが示されています。

アメリカの心理学者ロバート・エモンズ博士による研究では、毎日「感謝できること」を3つ書き出すだけで、6週間後には幸福感が25%も向上したと報告されています。

これは夫婦関係にも応用できます。

〇「先に食器水に付けてくれてたんだね、ありがとう」

×「まだシンクにお皿置きっぱなしなの?」

たとえ小さなことでも、相手の行動を認め、感謝の言葉にして伝えること。それが、ふたりの関係を穏やかに変えていきます。

思いやりは「行動」から育てることができる

感情は、行動によって生まれることもあります。これは心理学の**行動活性化(Behavioral Activation)**の考えからも言えます。

たとえば、「忙しくて余裕がない」ときでも、意識して「ありがとう」と口に出す。それだけで、自分自身の気持ちも自然と優しくなっていきます。 行動が先、感情はあとからついてくる---この視点が、夫婦関係にもとても有効です。

ゴットマン博士の「未来予測モデル」

ゴットマン博士は、長年にわたる研究で、過去のプラス感情を思い出せる夫婦の90%は、将来も幸せな結婚生活を送れることを発見しました。

逆に、楽しかった頃の思い出を語れなくなった夫婦は、関係が冷え込みやすい傾向があります。 つまり、「今、幸せかどうか」だけでなく、過去の記憶をどう思い出すかが、未来の関係を左右するのです。

さいごに:今日から始める感謝の習慣

夫婦関係は、大きな出来事よりも、日々の小さなやりとりの積み重ねによって育まれます。

今日から、「ありがとう」「助かったよ」「嬉しい」の一言を、意識して伝えてみませんか? その小さな積み重ねが、ふたりの心に穏やかな風を吹き込み、未来をもっと温かなものにしてくれるはずです。

更新日: 2026年1月7日

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