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A-3:すれ違いは終わらない?"解決できる問題"と"永続する問題"を見極める

どんなに相性が良い夫婦でも、日々の中で小さな衝突や悩みは避けられません。 ですが、「その問題が一時的なものなのか、それともずっと続く根本的な違いなのか」を見極めることで、夫婦関係の向き合い方は大きく変わります。

心理学者ジョン・ゴットマン博士は、夫婦の問題には2種類あると述べています。 それが「解決できる問題」と「永続する問題」です。 この視点を持つことは、日常のすれ違いを冷静にとらえ、感情的な衝突を減らす助けになります。

1. 問題には「種類」がある

「なんでいつも○○してくれないの?」 「前にも同じことでケンカしたよね?」

そんなふうに、何度も繰り返す言い争いに心が疲れてしまうこと、ありませんか?

実はすべての問題が”解決すべきもの”ではないと知ることは、心の余裕を生む第一歩。 一緒に過ごす時間が長くなるほど、2人の「違い」が自然と浮かび上がってくるのです。

2. 解決できる問題とは?

「家事の分担」「時間の使い方」「金銭感覚のズレ」など、比較的現実的で具体的なすれ違いが中心です。

例:

  • 「今月の家計を一緒に見直してみようか」
  • 「洗濯物を干すタイミングを決めておこう」

こうしたやりとりは、行動変容(behavioral change)によって改善できる問題です。 たとえば、「お互いが忙しい日はどちらが夕食を用意するかを週ごとに決める」といったルールをつくることも行動変容のひとつ。 お互いが協力すれば、合意点を見つけやすいのが特徴です。

3. 永続する問題とは?

一方、永続する問題は、根本的な性格特性の違いや価値観に基づいています。

例:

  • 「人付き合いが得意な妻」と「一人の時間が大事な夫」
  • 「計画的に動きたい夫」と「気分で行動したい妻」

何度も話し合っても完全には一致しない、まさに「解決できない問題」ですが、受容(acceptance)という選択肢がここでは重要になります。

4. “解決できない問題”を責めすぎない

永続する問題に対して、ついこんな言葉が出てしまうことも。

「またその話?いつになったら変わるの?」 「どうしてあなたはいつもそうなの!」

しかし、こうした表現は相手の自尊心(self-esteem)を傷つけ、関係の悪化を招く要因になります。

➡️ ゴットマン博士の研究では、全カップルの約69%の問題は”永続的なもの”であるとされています。

だからこそ、無理に変えようとするよりも、「その違いをどう受け入れるか」がカギとなります。

5. お互いの”違い”を理解しようとする姿勢が鍵

永続する問題と向き合うには、次のようなスタンスが大切です。

「あなたはそう考えるんだね。私とは違うけど、わかってきたよ」 「なんでそう思ったのか、もう少し教えてくれる?」

これは、アサーティブ・コミュニケーション(assertive communication)の実践です。 お互いを尊重しながら自分の気持ちを伝える姿勢は、心理的安全性を保ちつつ建設的な対話を可能にします。 また、傾聴(active listening)や自己受容(self-acceptance)も、違いを乗り越える基盤となります。

さらに、自分の感情や思考のパターンに気づき、意識的に選択し直す「メタ認知(metacognition)」の力も効果的です。「なぜこの言葉にイライラしたんだろう?」「いま自分が反応してるな」と気づくことで、無意識の反応から抜け出し、建設的な対応へとつなげられます。

6. 見極める視点が、夫婦関係を守る

「これは解決できること?それとも受け入れていくこと?」

一度立ち止まって考えてみる、メタ認知的な視点をもち自己観察をすることが重要です。 問題を”敵”とせず、“共に考えるテーマ”としてとらえることが、パートナーシップをより深めてくれます。

このような視点を持つことが、日常のすれ違いや衝突の中で「どう関係を築くか」を見直すきっかけとなっていくでしょう。

更新日: 2026年1月7日

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