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G-7:嫁姑問題

■ はじめに:なぜ嫁と姑はいがみ合うのか?

「うちの親はこういう人だから…」「なんでそんな言い方するの?」 義実家との関係は、夫婦にとって特に感情が揺れ動きやすい話題のひとつです。

ジョン・ゴットマン博士は、義母と妻がいがみ合う中心には、**「夫の愛情を求める熾烈な綱引き」があると指摘しています。 つまり、夫の立ち位置があいまいであるほど、ふたりの女性は無意識に”どちらがより大切にされるか”**を争ってしまうのです。

■ 生物学的にも”避けられない衝突”だった?

この問題は、実は生物学的な本能にも根ざしています。 義母は**「子孫を残したい」という無意識の本能から、息子の家庭に”より多くの孫”を期待します。これは、「遺伝子を次世代に伝えたい」**という進化心理学的な動機です。

一方で妻は、「夫を独り占めしたい」「自分たちの家庭を守りたい」という**「配偶者確保の戦略」**に基づく本能的な動きになります。

まさに、これは**「繁殖戦略の対立」**とも言えるのです。

こうした背景を知ることで、「どうしてこんなことで揉めてしまうのか?」という疑問に、生物学的な視点からも理解を深めることができます。

■ 問題解決の唯一の方法は、夫が毅然とした態度をとること

このような状況には、夫が**「情動的な境界線(Emotional Boundary)」をしっかりと引き、明確に「自分は妻の味方である」という立場を示すことが最も重要**です。

夫が家庭の中心として”どちらの味方か”を曖昧にすると、妻は心理的に孤立し、義母は「まだ息子は自分のものである」という幻想を抱き続けてしまいます。

■ 夫婦の連帯感を高めることが、最大の予防策

心理学では、これを**「プライマリーパートナーシップ(Primary Partnership)」と呼び、結婚後は親子関係よりも「夫婦の絆が最優先されるべき」**と考えます。

もちろん、実の親をないがしろにして良いわけではありません。 「親を大切にしたい」「親孝行もしたい」という気持ちは、自然で健全な感情です。 ですが、その思いが強すぎるあまり、最も身近にいる”人生のパートナー”が心細い思いをしてしまうことは、本末転倒と言えるかもしれません。

妻を優先することは、親との縁を切ることではありません。 むしろ、**「自分たちの家庭は自分たちで守る」**という強い連帯感があるからこそ、親とも健全な距離を保ち、長く良好な関係を続けていくことができるのです。

【実践のポイント】

  • 「ふたりのことは、まずふたりで決める」という基本姿勢を夫婦で確認する
  • 夫は、親に対しても「今は妻と新しい家庭を築いている」と明言する
  • 義実家との付き合い方については、事前にふたりでルールを決めておく

■ 会話例

〇「お母さんの意見は大切にしつつ、僕たちの考えもしっかり伝えるよ。」 ×「うちの親はそういう人だから、仕方ないよ。」

〇「親には僕から話しておくから、安心してね。」 ×「君が直接言えばいいじゃないか。」

■ さいごに

親との関係は大切ですが、それ以上に大切なのは**「ふたりで築く新しい家庭」**です。 夫婦が安心して心を開ける場所を守るために、夫は自らの立場をはっきりと示し、妻との連帯感を意識的に育てていくことが何よりも求められます。

更新日: 2026年1月7日

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